【ニュース まとめ】はるさめ君にゅーす!

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あきんどスシロー「回らない寿司」業態に挑戦 海外展開の試金石に 産経新聞 8月14日(金)10時30分配信

 

  回転すし店チェーン「スシロー」を郊外中心に展開するあきんどスシローが、空白地帯だった都心部の攻略に向け回らない新業態「ツマミグイ」の開拓に乗り出した。1月末に東京・中目黒に1号店を開店したのに続き、6月には赤坂見附店、7月31日には新橋店をオープン。落ち着いた雰囲気の店内でお酒やつまみなどを充実させ、既存型では来店頻度の少なかったサラリーマンや女性客の掘り起こしにつなげる狙い。競合ひしめく都心部開拓の先に見据えるのは海外での業態展開。“あきんど”の新たな挑戦が始まった。

あきんどスシロー「回らない寿司」業態に挑戦 海外展開の試金石に
あきんどスシローの新業態「ツマミグイ」の新橋店(写真:産経新聞)

■郊外から都心へ

 「会社として大きくなるチャンスが眠っている」。日本航空の副社長などを経て、今年2月にあきんどスシローの社長に就任した水留浩一氏は、都心部の開拓は成長のために欠かせないとの認識を示してやまない。

 スシローのこれまでの新規出店は地方の国道沿いなど郊外型がほとんどだった。駐車場を完備した席数200席程度が中心で、顧客層も子連れのファミリーが大部分を占めていた。出店余地は郊外にも残るというが、今後、ますます進む都心部への人口流入により、胃袋がさらに膨れ上がる東京23区内は、とくに「攻めないといけない」(水留社長)市場というわけだ。

 都心部開拓の“切り札”と位置付けるのが新業態ツマミグイだ。店内は既存型のファミリー層でワイワイにぎわう様子と異なり、茶系の装飾で落ち着いた雰囲気に統一。客席にもこだわりソファとテーブル、丸テーブルを用意した。メニューは、女性でも食べやすいようシャリの大きさを小さくしたり、前菜や一品料理なども充実。酒類もほぼフルラインアップをそろえた。

 しかも、住宅街の中目黒、オフィス街の赤坂見附、サラリーマンの聖地と呼ばれる新橋という街ごとの個性に合わせて、メニューの組み合わせも変えるという、念の入れようだ。たとえば、中目黒店は主婦ら女性客の来店が多いと見て、一口サイズのロールすし、サラリーマン層の多い赤坂見附店と新橋店は串類などつまみを充実させた。

 客単価は既存型のスシローの1000円に対し、アルコール類の販売が多いツマミグイは3000~4000円程度と、収益性も悪くなく「個性の異なる街で新業態がどういう風に成長するかを実験する」(水留社長)という。

■客単価は3000~4000円

 同社はまず都心部3店舗での事業状況を踏まえ、23区内での出店を強化したい考え。さらにその先に見据えるのが、海外でのすしチェーンの展開だ。水留社長は「東京23区の好立地で通用する業態となれば、ツマミグイを海外で展開する可能性は当然ある」と言い切る。現在、同社は海外で韓国に6店舗を展開する程度で、米国や欧州、東南アジアなどでの展開は皆無だ。

 同社にとって空白地だった都心部の開拓が優先順位は高いものの、国内の今後の人口減少をにらめば、将来を見据えた海外展開は大きな課題だ。ただ、広い土地が必要な回転すしを海外で展開するのは容易でない。このため、30~60坪程度のツマミグイの方がテナントへ出店しやすい。水留社長は「日本の味を守りながら、適正値段で食材を提供できれば海外開拓のチャンスは広がる」と力を込める。

■舌の肥えたサラリーマン攻略が課題

 だが、その前に、まず、ライバルひしめく都内という激戦区で生き残り、業態としての質を高めなければ海外展開の展望も開けない。舌の肥えたサラリーマンらの期待に応える、金額に見合った商品やサービス提供で新業態を磨き上げられるかが、挑戦の行方を左右しそうだ。(今井裕治)

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