暑いからエアコン絶好調 売り上げ倍増 多彩な独自機能アピール 産経新聞 8月9日(日)7時55分配信
■ピンポイントで風/部屋を均一温度に/音楽だって聴ける
記録的な猛暑を受けて、家庭用エアコンの販売が好調だ。量販店や大手メーカーの足元の販売実績は、消費税増税や豪雨などの天候不順の影響で需要が低迷した昨年夏に比べて2倍程度に急増しているという。各メーカーは快適性を高める独自機能などをアピールし、この夏の商戦を制したい考えだ。
仕事帰りのビジネスマンらが汗だくになりながら立ち寄る東京都内の家電量販店「ヤマダ電機LABI新橋」(港区)。同店では日中の最高気温が35度以上の猛暑日が続いたことで、エアコンの売れ行きが昨夏に比べてほぼ倍増している。
日本冷凍空調工業会によると昨年7~9月期の家庭用エアコンの出荷台数は、増税影響に加え、各地の記録的豪雨なども響き、約250万台と前年同期比約15%減と落ち込んだ。
今年も、6月に気温が低く推移し、前年同月比約4%減の約144万6千台と振るわなかったため、需要低迷が懸念されたが、7月中旬から気温が上昇し始めて状況は一変。「暑さで寝苦しい夜が続くと消費者の購買意欲がわく」(大手メーカー)といい、富士通ゼネラルでは7月下旬以降、主力の家庭用エアコン「ノクリアシリーズ」を中心に約1・5倍ペースに販売が急増しているという。
この好機を逃すまいと、他メーカーも独自機能を売り込んでいる。
三菱電機の「霧ケ峰Zシリーズ」は周囲360度を見渡せる赤外線センサーを搭載。部屋の温度だけでなく人の手足や頭の温度を測り、熱を帯びた部位にピンポイントで風を当てる。
ダイキン工業の「うるさら7」は風を天井に沿って流し、部屋全体を均一な温度にする。室外機は外気温45度でも冷房機能が低下しないようにした。
パナソニックは発光ダイオード(LED)の間接照明を付けた製品を投入。本体にスピーカーも搭載し、好きな音楽をスマートフォンから転送して聴けるなど空調以外でも快適性を演出している。
エアコン販売のピークは7月から8月中旬とされており、各社の熱い戦いもしばらく続きそうだ。