イチローの打率が急降下…「見るに堪えない数字」厳しさ増すメディアの論調 産経新聞 8月8日(土)19時30分配信
マーリンズ・イチローの打率が全く上がってこない。すべて先発ではないにしても100試合を超える出場で、打数も250を上回っているというのに、打率は2割5分前後をウロウロ。とてもメジャー通算3千安打が射程圏内に入ったとは思えない。一体どうしたというのか。ついには“第4の外野手”の座から落ちる恐れが出てきた。
41歳のメジャー最年長野手とはいえ、イチローと契約した当初は、“第4の外野手”とされて出場試合数は少なくとも、確実にヒットを放ち、高打率をキープするとマーリンズも判断していた。加えて、主力の故障などでイチローの力を仰がなくてはならなくなった後もマーリンズ打線を引っ張ってくれるものと踏んでいた。
ところが、この打率である。スポーツ専門局ESPNは、「急降下。イチローが低打率にあえいでいる。メジャーに上がったばかりのギレスピーに右翼のポジションを奪われることも出てきた」と報じている。
Yahoo sportsでも、「打者の重要な3つの指標、打率、出塁率、長打率ともに見るに堪えない数字に落ち込んでいる」と嘆いている。
日本ではメジャー3千安打へ向けて、歩みは遅いながらも着実に前進を続けていることぐらいしか聞こえてこないが、アメリカでの報道は、最年長野手に対する“敬意”を払いながらも日を追って厳しいものになってきている。過去のシーズン中にはあり得なかったことだ。
救いはバッティングとは違って依然衰えを見せていない守備力。外野から本塁や三塁にレーザービームが炸裂し、チームの窮地を脱するのに貢献。ジェニングス監督は「守備には助けられている」と高い評価をしているが、打撃に関しては不満顔で、「先発かどうかは相手の投手による。体調面も考慮している」と語る。
イチロー自身は、「野球は団体競技でもあるけど個人競技でもある。そこ(準備など)をきっちりやらないと、ということ。それを放棄してしまうと本当に終わりだから」と、先発出場が叶わなくても、いつも通りの作業をこなし続ける。
3千安打など近づく記録達成には試合に出るしかない。昨季までのニューヨークとは違い、辛辣さでは甘い部分があるマイアミとはいえ、イチローには厳しさが増していく。