ビール類、酒税一本化へ 1缶55円、メーカーと協議開始 産経新聞 8月8日(土)7時55分配信
麦芽の比率などで異なるビール類の酒税見直しに向け、政府がビールメーカーとの協議を開始したことが7日、分かった。ビールは税額を下げる一方、発泡酒と第3のビールは、税額を上げ、税額を一本化する制度設計を年末までに詰める。ただ、販売構成が異なるビール各社の意見調整は難航が予想される。一本化までの過程や移行期間などが焦点になりそうだ。
ビール類の350ミリリットル缶当たりの酒税額(写真:産経新聞)
現在、ビールは1缶(350ミリリットル)当たり77円▽発泡酒は47円▽第3のビールは28円-の酒税が課されている。政府は税額の差が、ビール類の販売に大きく影響していると分析。ビールの国際競争で後手にまわる要因にもなると見ており、年末に決定する来年度の税制改正大綱に酒税の見直しを盛り込む方針だ。
財務省はビール類全体で税収規模が変わらない制度を検討しており、350ミリリットル当たりの税額は約55円で統一したい考え。
ビールメーカーとの協議では、税額格差の見直しがビールの技術革新や競争力強化につながると理解を求める。
ただ、ビールメーカーの受け止め方は複雑だ。昨年度、アサヒビールとサッポロビールはビールの販売比率がそれぞれ約7割、約6割だったが、キリンビールとサントリーは第3のビールの販売比率が大きい。
ビール比率の低いメーカーにとっては、商品開発・販売戦略の再構築を強いられるため、反発も予想される。財務省は一本化までに5~7年の移行期間を設ける案を検討している。