【ニュース まとめ】はるさめ君にゅーす!

このブログは、常識・教養を身に付けるために、社会、ビジネス、健康、エンタメなどネット上の旬な情報を国内外から、ジャンルを問わず、さまざまなニュースや情報・知識を収集していくブログです。ニュースまとめます。

焦点:滑走路なき「新生スカイマーク」、債権処理などなお難題 ロイター 8月6日(木)0時5分配信

 

 [東京 5日 ロイター] - 今年1月の経営破綻から半年間の紆余曲折を経て、スカイマーク<SKALF.PK>の再建が動き出す。債権者集会でANAホールディングス<9202.T>の支援による再生案が可決されたが、多額の損失を抱えた多くの債権者との交渉はまだ続く。

焦点:滑走路なき「新生スカイマーク」、債権処理などなお難題

 8月5日、スカイマークの再建が動き出す。写真は羽田空港の同社デスクでチェックインする女性。2009年1月撮影(2015年 ロイター)

スカイマーク、独立性維持なら提携視野に=デルタ日本支社長

収益力の向上策も決まっておらず、「新生スカイマーク」が離陸すべき滑走路の道筋は明確になっていない。

<最大債権者との火種消えず> 

「再生計画案はなんとか決まったが、まだ不安だらけ」――。5日午後に開かれた債権者集会。債権者の多くが無言で足早に立ち去る中、ようやく足を止めた1人はこう漏らし、顔を曇らせた。スカイマークと最大債権者との間の火種がなおくすぶっているためだ。

スカイマーク再生をめぐっては、ANAの支援を受けるスカイマーク案と米デルタ航空<DAL.N>の支援を軸にした最大債権者の米航空リース会社イントレピッド・アビエーションによる案の2案が対立、債権者集会でその勝敗を決めるという異例の展開となった。

ANA支援案に賛成したという同債権者は、期待通りの結果にもかかわらず、「大口債権者が納得していないから対立案も出る。もうひと波乱が起きないよう願うばかり」と不安を隠さない。

その波乱要因になりかねないのが、対抗案を出したイントレピッドだ。同社は、スカイマークエアバスのA330型7機を今夏までにリースする計画だったが、その契約が宙に浮き、損失の肩代わりを期待していたANAとの交渉も決裂した。イントレピッドが主張していた債権額は約1150億円。ほぼ戻らないとみられるだけに、「何が何でもなんらかの見返りを求めるだろう」(別の債権者)と同社の動きを警戒する声もある。

エアバス問題も未解決>

スカイマーク案への賛成は議決者174人中135.5人、議決権総額の60.25%にのぼった(一部の債権者は議決権を分割して投票)。一方、イントレピッド案への賛成は37.5人、38.13%にとどまった。イントレピッドは議決権で37.91%を握る。エアバスAIR.PA>、米リース会社CITなど3グループで計58.81%を占める大口債権者がスカイマーク案に投じたことになる。

スカイマークは、イントレピッドからのリース問題に加え、エアバスとの間でも、大型旅客機A380の購入中止をめぐる最大7億ドルの違約金問題を抱えている。エアバスは債権者集会でANA支援案に票を投じたが、その裏でANAがエアバスと密約を交わしたのではとの見方もある。集会後に会見したANAの長峯豊之取締役は、エアバスとは「交渉の中で(新しい機材発注を)契約するような話はしていない」と否定した。

今後スカイマーク株式の過半数を握る予定の投資ファンドインテグラル代表の佐山展生氏はこれまでも、再建に必要な資金繰りは「この数カ月、あるいは一年、どこかに出してもらう必要がないよう準備を整える」と繰り返し強調してきた。だが、今後の資金繰りを懸念する債権者の声は少なくない。

会見に同席したスカイマークの井出隆司会長は5月、6月は搭乗率が増えてきており、「7月、8月は確実に黒字になった。9月も予算よりも上にいっている」と黒字基調にあることを強調した。しかし、こうした時期は盆休みなどの長期休暇があり、夏から秋にかけては旅行などで需要が旺盛な季節でもある。周辺からは「債権者とのゴタゴタが続いたり、冬になれば状況が変わる恐れもある」との声も出ている。

<収益性強化と独立性が課題に>

収益力の強化も課題だ。ANAの長峯氏は、具体的な契約の中でスカイマークの独立性が担保できる仕組みになっており、「運賃や路線、便数など航空事業に関する具体的な計画について、ANAは一切プロセスに関与しない」と強調した。だが、同氏は、スカイマークが収益性を維持するためには、需要期には高く、閑散期には安くといった運賃の弾力性をつけることが重要であることも繰り返し提案している。

井出会長は「規模の最適化を図り、これまで取りこんできたスカイマークのマーケット(顧客)を維持することで十分に利益は出る」と説明。「ANAやJAL(日本航空)と同じような運賃では、お客様は離れてしまう」と語り、値上げには慎重な姿勢を示した。

スカイマークは今後、ANAと共同運航を「なるべく早い段階で」(長峯氏)実施するなどして収益力を改善する。ただ、ANA色が強まれば、第3極としての立ち位置も揺らぎかねない。国内航空市場が寡占状態にある中で、スカイマークが独立性を貫けるのか。再建を主導するインテグラルの手腕にかかっている。

(白木真紀、志田義寧 編集:北松克朗)

headlines.yahoo.co.jp