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【MLB】単なる「一発病」にあらず 被弾の内訳から見える、田中将大の優れた投球術 ベースボールチャンネル 8月6日(木)12時30分配信

 

 

ソロ本塁打ならいくらでも対処できる

 ヤンキース田中将大が4日のレッドソックス戦に先発し、6回0/3を5安打3失点で8勝目を挙げた。クオリティースタート(先発して6回以上を、自責点3以内)を遂げたものの、7回は先頭のパブロ・サンドバルに特大右越え弾を浴びて降板。「ここ一番での制球のミスが悔やまれます」と自らも後味の悪さを口にした。

 これで今季は15試合、93回2/3を投げて16被本塁打。20試合、136回1/3を投げて15被本塁打だった昨シーズンを、早くも上回ってしまった。

 16被本塁打はマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)、マット・ハービー(メッツ)らと並び、両リーグ26番目タイの多さ。ただ6投手が並ぶが、田中より投球回が少ないのはショーン・オサリバン(フィリーズ)の71回だけ。後は大半が規定投球回に達し、田中よりもはるかに長いイニングを投げての結果だ。

 米メディアでは時折、田中の一発病を指摘する記事も現れ始めた。確かに昨年を上回るペースで被弾し続けてはいる。ただ、その内訳をのぞいて見ると、単純に「一発病」とは言い切れない田中の投球術が透けてくる。

 田中が今季被弾した16本塁打中、実に11本がソロ本塁打。残る5本は全て2ランで、3ラン以上は1本も許していない。

 これを先に挙げたバムガーナー、ハービーというナリーグを代表する屈指の好投手と比べてみよう。
 バムガーナーはソロ8本、2ラン6本、3ラン1本、満塁弾1本。ハービーはソロ11本、2ラン4本、3ラン1本となる。
 単純に本塁打による失点を計算して並べると、田中の21失点に対して、バムガーナーは27失点、ハービーは22失点ということになる。

 田中の被本塁打が続くことに対して、ジョー・ジラルディ監督は「何本も打たれるのを見たいわけではないがね。ソロだったらいくらでも対処できるんだよ。実際ソロ本塁打ばかりだろう?」と話している。決して楽観はしていないが、問題視もしていない。

 

本塁打の内訳から見えるもの

 田中は楽天時代から、走者を背負うごとに投球のギアを上げてきた。被打率は走者がいない状態が最も高く、一塁、得点圏、満塁と状況が悪化していくごとに、被打率は対照的に下がっていく。

 これはシーズンを通じて、長いイニングを投げ抜く上で、最も必要となる投球術の一つだ。一発を警戒して走者もいない状況から慎重に投げていては、無駄な球数を浪費してしまう。そこは積極的にストライクを奪いにいき、可能な範囲内で力で抑える。時には相手打者の打ち損じを誘う。

 一方で走者を2人以上ためた状態では、一発を浴びれば致命傷となってしまう。そこだけは避ける危機察知能力と状況判断力。そしてギアを上げた投球のポテンシャルの高さが、この被本塁打の内訳からよくわかる。
 となれば、打たれた本数だけで騒ぐのは無駄な議論とも言える。見るべきは打たれた状況。ソロ本塁打なら許される場面なのか、一発だけは絶対に避けなければいけない場面なのか。

 田中が自身の公式サイトで「自分の技術不足もあるし、いろんなところがありますね」と悔やんだ4日のサンドバルへの被弾は、そういう意味でいえば一発を避けたい場面だった。味方が再逆転してくれた直後。しかもこの一発で首脳陣は見切りをつけ、球数がまだ88球だった田中に降板を告げている。

 一方で2点リードだったこともあり、最悪でもソロ本塁打だけなら許容できる、というケースでもあった。可能な限りのリスクを取り勝負した結果、制球ミスで自ら早期降板を招いた。それでもリードは消さず、チームを勝利に導くことはできたわけだ。

 何より田中は、今後中4日の起用も含めフル回転の活躍が求められる立場だ。表面的な被本塁打増には、実はあまり意味がない。ソロOKの場面なら、これまで通りに積極的にストライクゾーンで勝負し、最少失点で長いイニングを投げ抜いていくことこそが、一番求められている。

ベースボールチャンネル編集部

zasshi.news.yahoo.co.jp