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イヌ属で150年ぶりの新種見つかる ナショナル ジオグラフィック日本版 8月5日(水)9時41分配信

 

 

東アフリカとユーラシアに生息するキンイロジャッカルが、実は2つの異なる種で、その一方は新種のオオカミであるとする論文を、米スミソニアン保全生物学研究所の生物学者クラウス=ペーター・コエプフリ氏が、7月30日付「Current Biology」誌に発表した。

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 この新種はアフリカンゴールデンウルフと名付けられたが、オオカミ、コヨーテ、ジャッカルを含むイヌ属で新種が見つかったのは実に150年ぶりのこと。アフリカには、このほかにもタイリクオオカミ、エチオピアオオカミの2種のオオカミが生息している。

 2種のキンイロジャッカルはほぼ同じ外見だが、ユーラシアの方がアフリカよりもわずかに小柄で頭蓋骨が小さく、歯が少し弱い。詳細なDNA分析の結果、この2種は長い間、別々の進化の道を歩んできたことがわかった。コエプフリ氏は、アフリカのキンイロジャッカルをアフリカンゴールデンウルフ(Canis anthus)に改名し、ユーラシアのキンイロジャッカル(C. aureus)はそのままの名前を維持することを提案している。

疑惑は数年前から

 これらのキンイロジャッカルが別の種ではないかという疑問は、数年前から科学者の間で話題になっていた。

 フランス、モンペリエ大学の生物学者、フィリップ・ゴーベール氏は2012年、アフリカのキンイロジャッカルタイリクオオカミの亜種であり、ユーラシアのキンイロジャッカルとは異なる可能性があるとする論文を発表した。ゴーベール氏は、母親から遺伝するジャッカルの断片的なミトコンドリアDNAを用いて解析を行った。

 この結果に興味を持ったコエプフリ氏は、より広範なエリアからのサンプルともっと多くのデータを使って検証したいと考え、両ジャッカルとタイリクオオカミの遺伝子を用いて解析を行った。

 ケニア、北アフリカ、ユーラシアのキンイロジャッカル、アフリカのタイリクオオカミ、飼い犬を含むイヌ属128サンプルについて、38の遺伝子マーカーを使って調べた結果、アフリカとユーラシアのキンイロジャッカルは異なる種であることを確認。同時に、アフリカのキンイロジャッカルタイリクオオカミの亜種でないことも発見した。

 つまり、アフリカのキンイロジャッカルは、新種だったのだ。ユーラシアのキンイロジャッカルとは、共通の祖先がおよそ100万年前までさかのぼる遠い親戚であることがわかった。

どうしてこんなに似たのか

「驚くべきデータが示されていますし、一連の解析は素晴らしい。どこにも反論の余地はありません」と、英オックスフォード大学の生物考古学者、グレガー・ラーソン氏は今回の研究結果について語る。

 しかし、それほどまでに遠く離れた親戚が、なぜこんなによく似た外見をしているのか。

 筆頭研究者であるコエプフリ氏は、進化の過程で、同じような進化的圧力がかかったのだろうと述べる。たとえば、これらの2種は砂漠の厳しい環境に生息しているため、日光を吸収しないように、小型で痩身、そして薄い毛になったと考えることができる。「遺伝子情報は、動物についての新たなストーリーをもたらしてくれます。私たちは今まさにそれを目の当たりにしているのです」

文=Carrie Arnold/訳=堀込泰三

zasshi.news.yahoo.co.jp